定在波、位相、しゃべり方

2009/10/10
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自分の常小屋になりつつあるスタジオのブース。

本来立ち位置での音響設計がされているためか、立ちでのアフレコ収録には持って来いの音響特性なのに、座高位置でのナレ録りで定在波が気になるこの1ヶ月。

このブースはちゃんと吸音・反射の特性を音響設計したブースで、換気・空調は常時ONでも環境ノイズは完全にレベル外で、床・天井、左右壁面は全て非平行面、部屋の角も音が溜まらないよう吸音トラップが仕込んであります。

でも、その設計が立ちの高さでベストになる設計らしく、不要反射、定在波が全部座高あたりに来ているようで、ナレ録りで特性が悪くなることがこのしばらくの経験でわかってきた。なにも考えずに座ってナレ録りすると、反射や響きをいっぱい拾って、位相の狂ったような音になる。ブースがそういう環境なので、マイクの存在を気にしないしゃべり手は特に音が崩れる。

なのでいろいろと工夫を重ねてナレ録り品質の改善をしてきました。
特に部屋の定在波とナレ机からの反射が位相感を崩す大原因だったので・・・

・机上にグラスウール吸音材を2層重ねてテーブルクロスを敷く。
・バウンダリーマイクと同じ原理で、マイクをできる限り下げて机面に近づける。
・上記と併せて机面の反射を拾わぬよう斜め上向きのマイクアレンジ。
・ブースのスイートスポットを探す。

これでかなり改善しました。
マイクのセッティングが日本の録音現場ではあまり見ない机面ギリから「上を狙う」セッティングになっていますが(海外のポスプロではちょくちょく見るスタイルですが原稿を手元に大きく広げる日本では割と近いところにマイクがあるので戸惑う人が多い)、しゃべり手がマイクに向いて、頭を大きく動かしたりしないでちゃんとしゃべれば問題なくなりました。ブース特有の定在波で200~400Hzの低~中域にピークが出てくるのだけは改善できず、人によってEQでその都度そのあたりを-3dBほど切ることで問題ない品質になりました。

僕は音声技術の人間なので、ナレーターや声優・役者はマイクをセッティングして置いてあるんだからブースで声を出す時には声のプロとして、ちゃんとマイクを意識してマイクに向かって頭を固定してしゃべれよと思うのですが、昨今はそういうのを気にしないしゃべり手が多いです。大体40歳前後を境目にマイクを意識してしゃべる世代、そうでない世代が別れている気がします。正直なところ若手はいくら言っても下を向く人が多く、そういう人はしゃべる側としてのプロ意識が低いという認識の下むかつきます。

話している内容さえわかって楽しく聴ければいいラジオやコメンタリーと違って、ナレーションやボイス録りは音が命なので、マイクを意識して、自分の声を返しで聴きながら発声をコントロールする必要性をTPOで見極めできないしゃべり手は廃業してくれよと思う最近でした。
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