AKG C451の歴史

2022/01/21
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AKGのC451は1969年に開発されたスモールダイアフラムのコンデンサマイクで、今日まで50年以上に亘ってペンシル型コンデンサマイクのスタンダードとして現役という、殿堂入りマイク。

英語圏では「Four - Fifty One」、日本では「シゴイチ」の通称で、スタンダード中のスタンダードと言えるマイクなので、今更ことさらに注目する人もいないマイクですが、これがあってこその録音も多いマイクなので、急に気になってその歴史を調べてみました。

C451EB.png

C451の登場は1969年、AKGにとって最初のFETマイクとして登場。
最初期は12vの電源で動作するタイプで、AKGがオーストリアの会社ということでドイツ工業規格であるDINコネクタタイプ(型番:C451C 末尾CはDINコネクタのもので、後年登場したXLRコネクタのものは末尾EとなってC451Eになる。)のものだったらしい。

C451の特徴はダイアフラムカプセル部とプリアンプ部で分割できるモジュラーシステムで、今日「シゴイチ」といえば普通は「CK1カプセル + C451プリアンプ」の総体を指している。C451はプリアンプ部にPADやHPFを搭載したりして改良され続け、「C451EB」「C451B」と変遷し、2022年でも現役の製品として販売されている。

登場順としては下記のようになる。

C451C DINコネクタ型
C451E XLRコネクタ型
C451EB Eの改良版。プリアンプ部にPADとHPFを内蔵した
C451B EBの改良版で現行品。カプセル部との接点の信頼性向上や音質も見直された


なお、CK1カプセルの兄弟分が結構あって

CK1 最もスタンダードな451のカプセルでカーディオイド特性
CK1S CK1の周波数特性について10KHz近辺を4〜6dBブーストしたもの
CK2 オムニ特性
CK3 ハイパーカーディオイド特性
CK4 LDC(Large Diaphragm Condensers)型カプセル
CK5 カーディオイド特性のグリル付きボーカルヘッド
CK6 双指向特性(オムニ/カーディオイド/双指向の切替ができる)
CK7〜CK9 ロングショットガン型カプセル(あったあとかなかったとか・・・)

などなど滅多にお目にかかれないレアカプセルがあるみたいです。

▼ボーカル用CK5と指向性切替があるCK6(画像はネット上から拝借)
AKGCK5.pngAKGCK6.png

ちなみに日本でも大ヒットした80年代洋楽で「カーマは気まぐれ(原題︰Karma Chameleon)」で有名なカルチャークラブのボーカル、ボーイ・ジョージの当時映像(Youtubeなど)を見ると、C451らしきマイクを手持ちして歌う映像がいくつか出てきますが、風防なしでC451をボーカルに使うとトンデモないことになるはずなので、451とは違うのでしょうかね・・・・? ご存じの方がいたら教えて下さい。(外観的にはSHURE KSM137やSM81にも似ている・・・)

▼C451(?)らしきマイクで歌うボーイ・ジョージ。このマイクは何なんだろう。
BoyGeorgeC451.png



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