Macでハードディスクをスリープ(スピンダウン)させない方法
SSDが手頃になって来た今でも、映像や音などメディア編集をする職の人間にとっては、大容量の外付けの3.5インチHDDのはいまだ魅力的である。
「裸族のお立ち台」をはじめ、3.5インチHDDを素っ裸でファミコンカセットのようにガチャコンと着けたり外したりできる、いわゆる「HDDのお立ち台」の中にはHDDコントローラーが内蔵されていてアクセスが一定時間ないとHDDをスピンダウン(スリープ)させてしまうものがある。うちのお立ち台では10分アクセスがないとスピンダウンしてしまう。
こうしたHDDコントローラー内臓のお立ち台で非常に厄介なのは、OS側から見たHDDはスリープしていないという点。お立ち台のコントローラーが勝手にHDDをスリープさせているにもかかわらず、OSから見たHDDはアクティブなので、データ転送待ちで処理が止まってしまう。しかも昨今データキャッシュを大きく取れるので10分間HDDにアクセスしないことなど当たり前で、すぐスピンダウンしてしまう。
省エネ面やHDDの寿命を考えるといいこともあるのだが、勝手にスピンダウンをされてしまうと、いざアクセスが起きると10〜20秒待たされてしまう。しかもスピンダウン、スピンアップの度にヘッドが退避する際の大きな音がして、これまた精神衛生上良くない。
Macでは「環境設定>省エネルギー」で「可能な場合はハードディスクをスリープさせる」というチェックボックスがあるが、HDDコントローラー内蔵のお立ち台にはこのチェックボックスは効果がない。お立ち台内蔵のコントローラーがすべてを握っているのでOSの意向などは完全に無視される。
▼「可能な場合はハードディスクをスリープさせる」を外してもダメなHDDがある。
こういうアウトローなお立ち台の場合、数分ごとに強制的にHDDへアクセスするイベントを起こさない限りスピンダウンしてしまう。
どうにかしたいので、ターミナルから ls コマンドを定期的に打つバッチを書いてみたが、キャッシュがあるためHDDを直接アクセスさせるに至らず失敗。
どうにかならないか探していたところ「Keep Drive Spinning」というアプリを見つけたのでご紹介します。
このアプリは指定時間毎に強制的にHDDアクセスをイベントして、勝手なスピンダウンを防ぐアプリで、Macの環境設定で「可能な場合はハードディスクをスリープさせる」チェックボックスでは効果のないお立ち台でもHDDを眠らせません。
使用方法は簡単で、起動してスピンダウンさせたくないHDDを選ぶだけ。
常駐型のアプリではないので、一度設定した後は二度と起動する必要ないのも素晴らしい。
注意すべきは実行時、アプリケーションフォルダから実行しないとパーミッションの関係でうまく設定が通らないので、必ずアプリケーションフォルダに置いてから実行のこと。
ちなみにSSDにこれを設定すると無駄なアクセスでSSDの寿命を縮めるので無駄なことはやめましょう。(そもそもSSDはスピンダウンしないし無意味)
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