Roland R-4Pro をSSD化改造しました。
C3PROJECTでは外ロケのドラマなどのレコーダーとしてRoland R-4Proを使っています。
R-4Proの基本スペックは4トラックレコーダーで最大24bit/192kでの録音可能。SEMPTEタイムコードも扱えるのでカメラと同期の必要なの同録現場に親和性の高いレコーダです。ガンマイクとワイヤレス3つをパラ素材として録音したり、ホールの三点吊とラインなどで高音質録音に使用したりと活躍しておりますが、最大の難点の一つに「バッテリーの持ちが悪い」というのがあります。
▼単体でSEMPTE TC対応し、4ch録音できるのが強みのR-4Pro。
レコーダーとしてはHAのSNも悪くなく、内臓のDSPコンプで押さえながら0dBFSいっぱいまで突っ込んで録音してもアナログ領域での音割れはしていない。よくある安価なHA回路などでは大きな入力ですぐ歪んでしまうがそういった傾向はないので安心して使える。
音質面では特に問題もなく素直で良好なR-4Proですが、とにかく電池の持ちが悪い。原因は内臓されたHDD。HDDがものすごい電力を消費している模様。録音待機で本番待ってるとあっという間にLOW BATTERYになる。 あえていうと電池の持ち以外でも使い勝手の面でノウハウ不足な機材で、実際の現場で録音に使うには操作性はいまいち・・・いまふたつ至らない機材です。
後発のR-88では改良されていると思うのですが、Rolandは演奏楽器なんかはよく出来てると思うんですが、この手の業務機器は開発者が自分で実際に使ったりして試してないの??と疑問に思う物が多いですね。
R-4Pro不満点
1.ディスプレイの取付角度
→水平置き時に見えやすいようにと40度くらいの角度をつけてるのが災いして首からぶら下げて上から覗くと自分の方に向いていないので見えない。
2.晴天屋外で見えないあらゆる表示
→ディスプレイは上記の問題と相まって輝度/コントラスト不足で外だとすごく見づらい。RECボタンの輝度が足りないから晴天時の屋外で点灯してるか点滅してるかわからない。
3.アナログリミッター回路のSNが悪い
→ONにした途端ホワイトノイズが酷い。使えないので使わない。幸いなことに内臓DSPコンプが優秀なのでそちらを使っていればアナログリミッターは特に必要ない。ただしDSPコンプのレベルやスレッショルド設定の単位がdBじゃなくてパーセント設定なのはどういうことなの・・・・
4.入力chのPANが奇数L/偶数Rで固定されてる
→RECしながら2MIXを外に送り出したいとき、1chだけL、残り2,3,4chはRへといった柔軟なルーティングが出来ないオバカ仕様。幸いにも4chパラ出し用の出力があるので、パラ出しして別のミキサーで振り分けすれば良いので、C3PROJECTでは振り分け用のパッシブミキサーを用意して対応。
5.TEST TONEジェネレートが出来ない
→R-4Proを単体ミキサーとして使おうとしても、ジェネレータがないので外部に基準信号を送れない。前もってTEST TONE(1KHz@-20dBFSなど)のファイルをR-4Proの中にコピーして用意しておく必要がある。
使っている身で自身の使用機材をコキ下ろすのは気がひけますが、良いところも不満も同じくらい見えるのはそれだけ使いこなしているということでもあります。ちなみにR-4Proの一番ファッキンな仕様は、フィールド使用を前提にしているくせに今時記憶媒体にHDDを採用していること。筐体内でゴム緩衝材でマウントされているとはいえ、同録で使う場合、シーンやカットごとでの移動や、録音しながら被写体に合わせて動くことも多く、やり直しの許されないデータを格納するにはクラッシュが不安で仕方ありません。何よりHDDという物理的な駆動を伴うメディアは電力消費が激しく、単3eneloopx8本で1時間程度しか動かず、現場をナメた仕様だな・・・ と思うわけです。
実際の現場では、実際録音が回る時間の5~10倍くらいはリハとか待ちだとかで録音待機状態でモニターしているだけになるので、1分の録音回すために10分以上の録音待機状態が続くのはザラなわけです。実際ロケに投入したところ、数カット撮影しただけで録音前にLOW BATTERY警告がでてしまって使い物にならず、常にAC電源繋いでいなければなりませんでした。
そこで思いついたのが記録メディアのSSD化。
■ R-4Proを3200円でSSD化する!
早速R-4Proを分解してみると、記録用HDDは2.5インチのPATA(IDE)でした。
今どきはSDカードなどは激安で64GBが1500円程度だったりしますのでそれを使わない手はありません。秋葉原などでPATA→メモリカード各種的な変換基板があるのは知っていたので調べてみるとAmazonでも各種買えるようなので一番安い1980円のPATA44pin→SDHCカードの基板を購入。
▼PATA44pin→SDHCカード変換基板。Amazonで1980円。
翌日、届いた基板をR-4Proに早速組み込む。SDカードは家にある適当な余り物で、Class4の8GBとか16GBを差し込んでみました。
なんと・・・動きません。起動すらしません。
仕方ないので一旦HDDに戻して起動。そのまま電源を切らずにHDDと基板を差し替えてR-4Pro上でSDをフォーマットすればイケるかな?なんて思ってフォーマットしてみるも進捗グラフが止まったまま進行せず。
いろいろアタマを捻った結果、もしかしてSDカードの転送速度が遅いことが原因かな?と思い、カメラで使っているClass10のSDHCカード32GB(Transcend 1200円)を差し込んでみたところ完璧に動作しました!
業務に使うためには不具合があってはいけないのでいろいろな条件でチェックしてみました。
4ch90分以上の連続録音、実際の同録で多い数十秒の録音を何度も繰り返し、録音/再生/サーチなどのランダムアクセスなど完璧に不具合無く動作します。
▼フラットケーブルで繋がれた黒い基板の裏にSDカード。下のHDDはこの後取り外しました。
SSD化したことでバッテリーの持ちも比べ物にならないほど良くなりました。SSD化するまでは1時間ほども持たなかったのに、SSD化したことで3~4時間くらいは大丈夫な感じになり、しかもクラッシュの心配も少なくなり実用に耐えられるようになりました。
R-4Proのユーザー自体が少ないでしょうからあまり参考にする人もいないでしょうが、オススメの改造です。
R-4Proの基本スペックは4トラックレコーダーで最大24bit/192kでの録音可能。SEMPTEタイムコードも扱えるのでカメラと同期の必要なの同録現場に親和性の高いレコーダです。ガンマイクとワイヤレス3つをパラ素材として録音したり、ホールの三点吊とラインなどで高音質録音に使用したりと活躍しておりますが、最大の難点の一つに「バッテリーの持ちが悪い」というのがあります。
▼単体でSEMPTE TC対応し、4ch録音できるのが強みのR-4Pro。

レコーダーとしてはHAのSNも悪くなく、内臓のDSPコンプで押さえながら0dBFSいっぱいまで突っ込んで録音してもアナログ領域での音割れはしていない。よくある安価なHA回路などでは大きな入力ですぐ歪んでしまうがそういった傾向はないので安心して使える。
音質面では特に問題もなく素直で良好なR-4Proですが、とにかく電池の持ちが悪い。原因は内臓されたHDD。HDDがものすごい電力を消費している模様。録音待機で本番待ってるとあっという間にLOW BATTERYになる。 あえていうと電池の持ち以外でも使い勝手の面でノウハウ不足な機材で、実際の現場で録音に使うには操作性はいまいち・・・いまふたつ至らない機材です。
後発のR-88では改良されていると思うのですが、Rolandは演奏楽器なんかはよく出来てると思うんですが、この手の業務機器は開発者が自分で実際に使ったりして試してないの??と疑問に思う物が多いですね。
R-4Pro不満点
1.ディスプレイの取付角度
→水平置き時に見えやすいようにと40度くらいの角度をつけてるのが災いして首からぶら下げて上から覗くと自分の方に向いていないので見えない。
2.晴天屋外で見えないあらゆる表示
→ディスプレイは上記の問題と相まって輝度/コントラスト不足で外だとすごく見づらい。RECボタンの輝度が足りないから晴天時の屋外で点灯してるか点滅してるかわからない。
3.アナログリミッター回路のSNが悪い
→ONにした途端ホワイトノイズが酷い。使えないので使わない。幸いなことに内臓DSPコンプが優秀なのでそちらを使っていればアナログリミッターは特に必要ない。ただしDSPコンプのレベルやスレッショルド設定の単位がdBじゃなくてパーセント設定なのはどういうことなの・・・・
4.入力chのPANが奇数L/偶数Rで固定されてる
→RECしながら2MIXを外に送り出したいとき、1chだけL、残り2,3,4chはRへといった柔軟なルーティングが出来ないオバカ仕様。幸いにも4chパラ出し用の出力があるので、パラ出しして別のミキサーで振り分けすれば良いので、C3PROJECTでは振り分け用のパッシブミキサーを用意して対応。
5.TEST TONEジェネレートが出来ない
→R-4Proを単体ミキサーとして使おうとしても、ジェネレータがないので外部に基準信号を送れない。前もってTEST TONE(1KHz@-20dBFSなど)のファイルをR-4Proの中にコピーして用意しておく必要がある。
使っている身で自身の使用機材をコキ下ろすのは気がひけますが、良いところも不満も同じくらい見えるのはそれだけ使いこなしているということでもあります。ちなみにR-4Proの一番ファッキンな仕様は、フィールド使用を前提にしているくせに今時記憶媒体にHDDを採用していること。筐体内でゴム緩衝材でマウントされているとはいえ、同録で使う場合、シーンやカットごとでの移動や、録音しながら被写体に合わせて動くことも多く、やり直しの許されないデータを格納するにはクラッシュが不安で仕方ありません。何よりHDDという物理的な駆動を伴うメディアは電力消費が激しく、単3eneloopx8本で1時間程度しか動かず、現場をナメた仕様だな・・・ と思うわけです。
実際の現場では、実際録音が回る時間の5~10倍くらいはリハとか待ちだとかで録音待機状態でモニターしているだけになるので、1分の録音回すために10分以上の録音待機状態が続くのはザラなわけです。実際ロケに投入したところ、数カット撮影しただけで録音前にLOW BATTERY警告がでてしまって使い物にならず、常にAC電源繋いでいなければなりませんでした。
そこで思いついたのが記録メディアのSSD化。
■ R-4Proを3200円でSSD化する!
早速R-4Proを分解してみると、記録用HDDは2.5インチのPATA(IDE)でした。
今どきはSDカードなどは激安で64GBが1500円程度だったりしますのでそれを使わない手はありません。秋葉原などでPATA→メモリカード各種的な変換基板があるのは知っていたので調べてみるとAmazonでも各種買えるようなので一番安い1980円のPATA44pin→SDHCカードの基板を購入。
▼PATA44pin→SDHCカード変換基板。Amazonで1980円。

翌日、届いた基板をR-4Proに早速組み込む。SDカードは家にある適当な余り物で、Class4の8GBとか16GBを差し込んでみました。
なんと・・・動きません。起動すらしません。
仕方ないので一旦HDDに戻して起動。そのまま電源を切らずにHDDと基板を差し替えてR-4Pro上でSDをフォーマットすればイケるかな?なんて思ってフォーマットしてみるも進捗グラフが止まったまま進行せず。
いろいろアタマを捻った結果、もしかしてSDカードの転送速度が遅いことが原因かな?と思い、カメラで使っているClass10のSDHCカード32GB(Transcend 1200円)を差し込んでみたところ完璧に動作しました!
業務に使うためには不具合があってはいけないのでいろいろな条件でチェックしてみました。
4ch90分以上の連続録音、実際の同録で多い数十秒の録音を何度も繰り返し、録音/再生/サーチなどのランダムアクセスなど完璧に不具合無く動作します。
▼フラットケーブルで繋がれた黒い基板の裏にSDカード。下のHDDはこの後取り外しました。

SSD化したことでバッテリーの持ちも比べ物にならないほど良くなりました。SSD化するまでは1時間ほども持たなかったのに、SSD化したことで3~4時間くらいは大丈夫な感じになり、しかもクラッシュの心配も少なくなり実用に耐えられるようになりました。
R-4Proのユーザー自体が少ないでしょうからあまり参考にする人もいないでしょうが、オススメの改造です。
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