とある音屋の日常 「C3PROJECTスタッフBlog」

サウンドエンジニア、サウンドデザイナーとしてレコーディングからPAまで音の仕事ならなんでもおまかせC3PROJECTの日常。

技術資料:Windows環境でProtoolsHDを動かすための情報。 

別に私はAVIDの回し者でもなんでもないですが、フリーになる直前1年半ほど某販売代理店の業販部門でProtoolsやFairlightのシステム周りをやっていたりしたこともあり、つい技術的な資料を作成したくなります。


さて、特に資料があるわけではないのですが、AVIDの中の人に聞くところ、日本におけるProtoolsHDのホストマシン構成比というのは個人・業務を問わず、9割以上が Mac によるもので、Windowsでの稼働率は非常に稀有な例だそうです。(V10オプションを使う必要があるなど特殊な場合。)

一方、国外へ目を向けるとWinodwsでTDMシステムを動かすのは特に珍しくもないようで、スタジオでもWindowsでHDシステムを動かすこと自体は意外と一般的な様子です。その証拠にDUCではWindows環境でのTDMスレッドが非常に活発です。
Digidesign User Conference = デジデザイン公式によるユーザー同士の情報交換BBS。英語のみ。Avid担当者もユーザーからの情報をここで収集しバグフィックスに当たっており、トラブルシュートなどに非常に有益な情報も多い。)

こういう違いに日本と諸外国の違いを垣間見れますね。日本だと横並び意識というのもあるかもしれませんが、さぁトラブル!となった時、Protoolsのような専門的システムでは英語での情報収集で解決にあたらなければならないということもあり、英語が苦手な日本人としてはなるべくトラブルの少ない(といわれている)Mac環境にこぞって落ち着いてしまうというのがひとつの原因かもしれません。Digidesignとしては 「ProtoolsはWindowsとMacの完全ダブルプラットフォームシステムでどちらがトラブルが多いということはない」と言い切っていますし、その証拠にDesidesign Venue(SR用コンソール)はProtoolsのTDMを応用したシステムですが、Windowsベース(WindowsEmbeded)で動いています。



前置きが長くなりましたが。当方でも実はProtoolsHD3AccelのシステムをWindows環境で動かしています。もちろんこのHD3システムは大変安定しており、Mac環境とも遜色ない快適なものです。 日本ではWindowsでTDMを動かしているという情報自体が皆無に近いので、この情報が数少ない有益な1つの情報となればと思います。


▼ProtoolsHD3Accelを稼動させるWindows環境でのシステム(DOS/V自作機)

マザーボード:     ASUS P7P55D (Socket 1156)
CPU:          intel Core i7 860 2.8GHz
メモリー:        DDR3 4GByte (デュアルチャネル駆動 2GBx2枚)
グラフィック:      ATI RH5450-LE512HD
HDD:          SATA 1TByte x1台  500GByte x1台
OS:           Windows XP Home SP3
Protools:       ProtoolsHD 8.1.1  HD3Accel (PCI-Xカード)
HUI:           M-AUDIO ProjectMix I/O


ざっと上記のようなシステムです。


実はこれ以前もPentium4環境のWindowsマシンで同じくHD2Accelを稼動させていました。

▼ProtoolsHD2Accelを稼動させていた旧Windows環境でのシステム(DOS/V自作機)


マザーボード:     MSI 865GM2-LS (Socket478)
CPU:          intel Pentium4 3.2GHz (Nrothwoodコアだったと思います)
メモリー:        DDR400 2GByte (デュアルチャネル駆動 512MBx4枚)
グラフィック:      NVIDIA GeForce5600
HDD:          SATA 500GByte x1台 IDE 250GByte x1台
OS:           Windows XP Home SP3
Protools:       ProtoolsHD 8.1.1  HD2Accel (PCI-Xカード)
HUI:           M-AUDIO ProjectMix I/O



今回、Pentium4からCore i7に乗り換えたのは特に不満があったわけではないのですが、Pen4のマシンだとRTASプラグインを使用せざるを得ないときどうしてもProtoolsから6031エラー(CPUオーバーロードしてるからH/Wバッファー増やせよエラー)が出てしまうので、そろそろ買い替え時期かなー・・・と言うくらいのとりあえず的な移行でした。

Pentium4環境から移行開始から約1週間でようやく現在の構成に落ち着きました。

とりあえず結論から書くと、ProtoolsHD Ver.8をWindows環境で動かすならば


(1) FireWire機器を接続する場合に限っては、Windows7 64bitは使い物にならない。
(2) 完璧に動かすにはXP最強といわざるを得ない。
(3) トラブルを避けたいならグラフィックはATI推奨。NVIDIAでも支障はなかったけど念のため。



ということだろうか。


説明すると、i7環境に移行するため、当初購入したグラフィックカードはNVIDIA、OSはWindows7 64bit版でした。

ところがこの構成でi7マシンを組んでみると、なんと6031エラーが数秒おきに出て全く使い物にならないシロモノとなってしまいました。結論でいうと悪いのはWindows7 64bit版で、NVIDIAは何も悪くないのですが、可能性が疑われてATIと交換することになりました。(DUCの情報ではNVIDIAを使用するとIRQの問題からエラーになる場合が多々あるとのことでしたが、私の場合以前の環境も含め、今回も関係ありませんでした。 ATIでも6031に陥っている環境は多々あるようですので、こればかりは運かもしれません。)

原因の切り分けをしてシステムを調べていくとWindows7 64bit環境で当方の場合、Firewire機器を使わなければ何の問題もなく動くことがわかり、Firewire機材を繋ぐとディスクアクセス時に音が飛ぶ or 6031エラーで停止すること多いため、IRQの割り当てに問題がありそうでした。

結局のところ、Win7では1394コントローラーが割込要求かけてくるたびにCPUがオーバーロードしてしまうのが原因で、OSをXPにすると問題なく動作しました。


解決までの経緯ですが、Windows7でのIRQ割り当てを調べると・・・


   IRQ16  グラフィックカード、Chipset USBHostControler、HDCoreHDDSP
   IRQ17  Chipset PCIExpressRootPort、HDAccelHDDSP
   IRQ18  Chipset PCIExpressRootPort、IDEチャネル、1394Controler、HDDSP
   IRQ19  Chipset PCIExpressRootPort、NIC、1394Controler、HDDSP


こんな割り当てになっておりました。(太字はProtoolsTDMシステムのハードウェア)
ちなみにこの割り当ては、OSがXPの場合でも変化ありませんでした。(=OSの処理の問題)


最近のPCはブラックボックスな部分が多くASUS P7P55DのマザーボードではBIOSでもIRQ割り当ての変更ができませんでした。もちろん本来放っておいてもPnP機能によりPCIスロットはずべてIRQ9でACPIによってすべて自動ステアリングされ、割り込みテーブルは解決されているはず。 なのでIRQ番号がかぶっていてもIRQ同士でINT線さえかぶっていなければ基本的には大丈夫なのですが、どうもOS側で大域幅の大きい物の割込要求をうまく処理できていないことに原因があるようでした。

特に Windows7 64bit版ではIEEE1394(FireWire)のOHCIデバイスドライバがまるっきりウンコらしく、映像業界でもオーディオ業界でもドライバをレガシーモード(つまり旧版での動作モード)で動かすことを必須としてプレスリリースしているメーカーが多く、メーカーを超えてこの措置が必要だということはおそらくIEEE1394で規定されたアイソクロナス(同期)転送の処理に問題のあるドライバなのでしょう。この問題は現在に至るもMS-KB(修正パッチ)でも解決されていません。実際、FireWire機材を繋ぐとCPUがオーバーロードして6031エラーとなっていたので間違いない事実です。

ちなみにセミコン大手のTexusInstruments社とベンダーのUnibrain社がWindows7 64bit用に独自に1394ドライバーである 「UBCORE」 というドライバーを提供しているのでこれを試しに使ってみましたが、結果はストレージ機器の速度が抜群にUPしたものの、オーディオ関係の機材は認識できないという残念な結果でした。この1週間で得られた情報として有益なのは、UBCOREドライバーは単なるデータファイルのやり取りを主とする別方面の業種の向きには間違いなくお勧めできるドライバだということでしょうか。

Win7では使えない技ですが、XPユーザーでProtoolsを使うような業界の方は、アイソクロナス転送の確実性という観点で、XP SP1の1394ドライバが一番確実ですので必要な方はSP1のファイルを用意してドライバのロールバックをお勧めします。

結局、Windows7 64bit版でのシステムビルドをあきらめ、OSをXPにしたところIEEE1394機材も含めすべて完璧に動作する環境になりました。おそらくNVIDIAのグラボでもXPであれば大丈夫かと思います。

この調子だとおそらく、Windows7のOS側でIEEE1394ドライバなどのOS層での処理をを改善しない限り、Protools9に移行できない気がします。もしかするとPT9はWin7対応を謡っているので大丈夫なのかもしれませんが、おそらく1394機材とPT9を繋ぐのがOS層である限り、OS側の改善がない限り望み薄だと言えます。

以上、とてもニッチな情報ですが、必要とされる方の参考となりますように。






category: Protools関連

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