モニタースピーカーの条件とは

2010/11/19
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音の仕事についてからいろんなスピーカーを聞いてきたけども、職業的にドライに考えた時、仕事上必要なモニタースピーカーとしての音を出すスピーカーの条件というのはそんなに難しいものじゃないと思う。
何十年も昔と違って、各社とも基礎の技術レベルが十分に高くなっているので、そこから上を狙っていくような業務用モニタースピーカーはどれも十分なレベルに達していて、あとは決裁権を持ってるエンジニアの好みみたいな部分が多い。

GENELEC、ADAM、FOSTEX、TANNOY、JBL、YAMAHAなどなど、フリーとしていろんなスタジオに出入りすると、そのたびに違うスピーカー、違う部屋、違うシステムで音を聞くことになるので、そのたびごとにオーディオ評論家みたいな調整なんかやってられない。まさに・・・

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となっていく。決して大雑把になってるわけではないけど、そうなってしまう。そうならざるを得ない。

そもそも施工されてしまったスタジオのスピーカーはご家庭のスピーカーと違って調整不可能。現実としては結構ラフな感じで木枠に乗っかって壁に埋め込まれています。壁の木枠にインシュレーター無しで乗っかって、あとは吸音材でルームアコースティック調整する程度・・・というかんじ。場合によっては構造的に結構ビビッてることもある。
(だってスタジオの多くは賃貸ビルなので、出て行くときに撤去出来ないような工事は出来ない、という現実がある。相当こだわったスタジオでS&R誌でもおなじみのKIM STUDIOなんかは再三度外視でスピーカー用にコンクリ基礎を作って埋め込んでるらしいですが、そんなことできるのはごくごく一部のスタジオで、多くは音響設計による吸音と定在波軽減をメインにしたスタジオ設計になってると思います。)

スモールは調整可能だけど、そのスタジオの専属でもない限りやる権限もないし、やってる時間もない。

となると細かいことは抜きにして、そこのスタジオがどういう鳴りをするのかを把握することが最優先事項になる。
自分が聴き慣れたソースを再生してみて、脳内の理想再生音との差異を確認して、「なるほど。ここはこういう鳴りをするんだね~」と納得することからスタートする。

十数年前なんていうのは、マルチウェイをマルチアンプで駆動したりして、クロスオーバーの設定次第でハイが抜けないだとか位相が悪いとか、妙にでかいディップがあるとかイイ音に関して暗中模索で各スタジオ驚くほどの差があったのが当たり前だったのが、まぁ昨今のスタジオはGENELECに代表されるようなパワード型モニターの普及もあって、よっぽどひどいスタジオで無い限り、どこも似たような大丈夫な音が鳴ります(笑 それでもスタジオによってコントロールルームの容積、形状には差があって、それが低域に影響して大きな差が出てきます。

ところがこの低域はミックス時の土台を左右する量感判断に関わるものなので、高域再生ウンヌンよりも重要なところだと思うんですよね。

私がモニタースピーカーに求めたいのは低域の再生能力。

きょうびのモニターはみんな高域特性は十分優れているし、ギンギラギンに痛いほど出てる。GENELECの高域なんか聴いていてひどく痛々しいと思う。とにかく、最近のスピーカーはオーディオ用、業務用問わず高域が出すぎてるように思う。確かに高域が出てると派手でいい音に聴こえるかもしれないけど、いかにもツイーターで鳴ってま~す的な高域再生音はかなり痛い。

なので高域はもう十分。低域再生能力が優れたスピーカーこそいいモニターの条件だと思います。
音を組み立てていく時、やはり音の土台となる100Hz以下の低域が十分に歪み無く再生できることが良いモニター、ひいては良い音を作る条件じゃないでしょうか。

先日のBLOGで書いたTA2020搭載のアンプとBOSE 101MMで試しに効果音を作ってみようとトライしたのですが、やはり低域が出てない状態(TA2020に挟んであるキャパシタが4Ω負荷想定の容量になってるのか、EQで出音補正しないと音がスカスカ。
音のピラミッドとして、最下層にどっしりと十分な低域を置くことで中高域をバランスよく混ぜることが出来ると思います。

自身の経験から言っても、自宅ではフルレンジユニットにサブウーファーを加えたの2.1chシステムでいつもミックスしているので、逆に言うと、低域がしっかりと再生できるシステムであれば、高域の特性がさほど伸びていなくても十分なモニタリングとミックスが出来ると断言できます。

人間の聴覚って不思議なもので、低域の出ないGENELECの8020や、ムジークの906あたりの小型モニターなんかを信じて使うよりは、フルレンジでもしっかりとしたスピーカー、例えばBOSE 101MMやFOSTEXのユニットで自作したようなスピーカーであれば、それにウーファー加えた2.1chシステムのほうが、明らかにミックスの量感を捉えやすくよりしっかりとしたミックスが出来るのを感じます。

そういった理由で、私はラージモニターが有る場合は必ずラージを使って仕事をしています。

自宅でもラージモニターが置ければよいのですが、日本の住宅事情ではそうも行かず、かといって低域再生に弱いモニターというのは考えられないと思う私がお勧めするモニタースピーカーはBluesky社の2.1モニターシステムです。

Blueskyは最初から2Wayスピーカーにサブウーファーという構成で低域再生能力も重視した硬派なモニターシステムで、音はピカイチ。本当に小型ですが、ラージモニターかと間違えるほど圧倒的な再生能力で信頼できるモニターシステムです。

Bluesky、イマイチ知名度が低いのですが、絶対オススメできるシステムなんですよね~~。
今のところ、私がお金払っても新たに買いたいスピーカーというのはFOSTEXのNFシリーズか、このBlueskyだけです。

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