とある音屋の日常 「C3PROJECTスタッフBlog」

あけおめ&効果製作日記-04 「心理空間音のすすめ」

2009/01/02
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あけましておめでとうゴザイマス。

個人的には全くおめでたい感じがしないのが複雑なところですが(汗 
理由はいろいろ有りますが、言っても始まらないので前向きにダッシュ(走り出す様)
それはさておき、新年なのでやっぱり「おめでとう」と言いたいので言わせてください。でも生きててすみませんorz

今年はいろいろちゃんとしようと思います。修身したいと思います。
なのでみなさん、よろしくお願いしますexclamation ×2

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さて、実写に効果音をつけていて、「ふぅ~・・・・。できた~!」と思って、制作視点ではなく観客視点でリラックスして通してみて見ると、ふと何かが物足りない、ある種の欠如感を覚える瞬間が有ります。

でもハリウッドの映画を見ていて、そういった物足りなさを感じることは有りません。
何が違うのかというと、やっぱり答えは「音」なんですね


特に、緊迫した空気の中で殺るか殺られるかといったような対峙を描いたシーンや、次に何が起こるかわからないような不安のあるシーンでそう感じるのですが、自分でもそれが何なのかはよく分からなくて最初は「???」って感じでした。

敵と対峙した瞬間と言うのは大抵、何も動きが無いもので、動きが無いので常識的には「その空間」の音しかしないものです。たとえばアクション映画でよく有るような、何かの工場でのラストシーンで、主人公と敵が最後の一騎打ちを始める直前の対峙シーン。たくさんの映画を思い返してみると、工場の音は割と控えめで、かわりに人口的な低周波の効果音が前面に押し出されて入っているわけです。

ということで、今回の映画にこの手法を実践してみました。

機材は普段打ち込みで使っているKORGの microX 。
プリセットでも結構使える音が入っているので適当に低周波が盛大に入っているプリセットで不協和音を適当に押さえて、すでにフォーリーなどを入れ込んだ映像に当ててみると・・・


                 「 お ぉ っ ! ハ リ ウ ッ ド w w w 」


言ってしまえばたったこれだけの話ですが、フォーリーばかりやっていると、現実の音にばかり意識が行ってしまって、つい心理空間における効果音というのも重要なファクターであることを忘れてしまいがちな事の良い例です。

心理的空間を表現する音はいろいろあって、それだけで論文書けそうですが

 ・地鳴りのような低周波
 ・耳鳴りのような高周波
 ・リバーブ/エコー、HPF/LPFなどで積極的に加工された現実音

といった3つくらいに分けられるような気がします。

もっとも、単にこれらを入れたからと言って、映画の音のクオリティが上がるわけではないので、その辺はやはり効果屋の腕の見せ所でしょう。

 ・どの程度の周波数帯域/レベルが適度なのか
 ・ダイアログ/音楽/その他効果音etc... とのミックスバランスの駆け引き
 ・映像との整合性(視覚的なマッチング、タイミングのマッチングなど)

上記のような条件をクリアして当てていくのは結構センスと労力の要る仕事です。
シーンとともに変化する映像をキッカケに音のキーを変えたり強さを変えたりするので、音楽的ともいえます。(音楽的ではあるけれど、旋律があるわけではないので、音楽的であるより、むしろ作品の心理的描写を音響的にイメージする妄想力のほうが重要ですw)

低周波の入れ具合も実は絶妙に調整していかないとただの邪魔なノイズでしかないですし、リアル空間のアンビエンスとの混ぜ具合や、どういうタイミングで入っていくかとか、リアル音と心理空間音の取捨選択といった部分で、仕上がりのクオリティがミックスのセンスに大きく左右されると思います。

特に音楽とのからみは重要で、映画において音楽は映像とともに作品のテンポを生み出す重要なファクターなので、それをかき消すようなミックスは基本的にNGです。音楽を生かしながらも観客の無意識に訴えて不安を煽る絶妙なラインをミックスで見せなければいけないのが映画の音響効果だと思います。




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