とある音屋の日常 「C3PROJECTスタッフBlog」

サウンドエンジニア、サウンドデザイナーとしてレコーディングからPAまで音の仕事ならなんでもおまかせC3PROJECTの日常。

ピンマイクのケーブル補修とスタイリストへの怒り 

先日、ロケ終わりで事務所に戻って、機材の清掃メンテナンスしていたら、ワイヤレスで使っているピンマイクのシース(ケーブルの被覆)に裂傷を発見した。

裂けた状態を撮影し忘れていて修理後の写真しかないのだが、ラベリアの先端から10cmほどのところに約3mm程度、ケーブルの長手方向に裂け傷が...。


▼補修前の裂けた状態を撮影しておかなかったのでいきなり補修後の写真。

IMG_0641.jpg


ケーブルの裂け口を観察すると、劣化や疲労で裂けたものではなく、明らかに強い力で先端が尖ったもので圧力をかけて引っぱった裂け方だった。 先日の収録時に対象が女性ということで、ピンマイクを付ける際に録音部でもないクセにシャシャリ出てきて「私が付けます」という録音部的にクソ迷惑でしかないスタイリストが、タイピンクリップのワニ口に変な挟み方して、それを無頓着に引っ張ったりして扱ったせいで裂けたのだろう。

以前からスタイリストが「私が付けます」と言うたびに「引っ張らないでくださいね!断線するから!」と口を酸っぱくして言ってきたのに、ヤツらは気軽にピンマイクのケーブルを引っ張るのでほれ見ろ言わんこっちゃないスタイリストがやらかしたぞと思うとものすごい腹がたつのだが、不幸中の幸いシールド線が見えてしまっているだけで、シールド線や芯線に断線が無かったが、放っておけば裂け広がってしまうので補修することにした。

しかし嫌味の一つも言っておかないと気がすまないので言わせてもらうが、対象が女性タレントだと何を守ろうとしてるのか、録音部が神経を使ってちゃんと収音できるように苦労して取り付けるピンマイクを、全くのドシロウトスタイリストがマイクを取り付けたがる風潮、録音担当としては本当に迷惑だ。


ヤツらは音に責任持たないクセにシャシャり出てきてはロクな取り付け方、外し方をしないので、近年はもっぱら毅然と断っているのだが、今回はドラマなど衣摺れに気を使うような服の中への仕込みではなく、タイピンクリップで普通に取り付けるだけなので大丈夫かと油断して任せてしまったのが大きな間違いだった。

機材の値段や正しい扱いを理解しない勘違いスタイリストに機材を任せた自分もバカだったが、断線したらそれだけで何万もする高価な他部署の大事な機材だという理解をしないでぞんざいに扱うスタイリストは本当に迷惑だ。



さて、このケーブル被覆の裂け傷をどう補修するか。

一番手っ取り早いのは熱収縮チューブで覆ってしまう方法。
しかし熱収縮チューブで裂傷部分を補修すると、柔らかめの熱収縮チューブを使って補修しても熱収縮チューブの両端でケーブルの硬さが変わるので、チューブの両端で屈曲ストレスがかかり、新たな断線要因となる。

そこで、裂けた部分から前後に1.5cmずつ余裕をとって、ボンドを塗ったケーブルに糸を巻きつけて補修する事にしました。
糸を巻く事で裂け傷を塞ぎつつ補強もでき、ケーブルの柔軟性自体も損なわないはず。


まず糸を巻着付ける範囲を決めて、ドラフトテープで範囲を確定させる。
そしてゴム系のボンドをその範囲に薄く塗りつけ端から糸を巻きつけていきます。まずは一回端から端まで巻いたら、その端でいったん糸を縛り上げ、上からまた薄くボンドを塗りつけます。

そしてケーブルの長手方向に2、3回糸を這わせて、さらに巻き上げていきます。
ボンドを塗っては巻き、ボンドを塗っては巻きを繰り返します。

私の場合、三回巻き上げて良しとしました。



▼こんなかんじで補修する範囲をドラテで囲っておくと仕上がりが綺麗になる。
IMG_0642.jpg


▼ボンドは必ずゴム系を使う。瞬間接着剤は完全に固着するのでNG。
konisig17.jpg


▼糸を3重に巻いて補修完了。
IMG_0640.jpg



補修をする事でまた一つ機材への愛着がわく。
まだまだ働いてもらわないといけないのです。
皆さんも機材は丁寧に扱ってくださいね!!!!




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