とある音屋の日常 「C3PROJECTスタッフBlog」

サウンドエンジニア、サウンドデザイナーとしてレコーディングからPAまで音の仕事ならなんでもおまかせC3PROJECTの日常。

【MA厄介事あるある】MAミキサーから映像制作者へのお願い 

今は昔と違い、MacBookさえ持っていれば、FinalcutやPremireで映像のオフライン編集から完パケ映像書き出しまでできてしまう環境が気軽に手に入ります。

そのおかげで制作会社のディレクターやシスタンとディレクターも、昔ほど編集室に依存しない映像制作が可能になった一方で、ポストプロダクションの技術に疎いディレクターやアシスタントディレクター(AD)が技術的な前後工程を理解しないままFinalcutやPremireでオフライン編集や本編集することが常態化し、意味不明な素材がMAに持ち込まれることも非常に多くなりました。

この「ポストプロダクションの技術に疎いディレクターやアシスタントディレクター」というのが非常に厄介な存在なので、心あたりのある方にはMAに必要な技術的な前後工程を理解してもらいたく今回は記事を書くことにしました。

※ 2020/08/03 OMFについて加筆と全体の表現修正しました。



【 MA厄介事あるある 】  
  1.持ってくるQuickTimeの映像にTC(キャラ)焼きこんでこない
  2.持ち込む映像と音素材の内容がズレてる
  3.オフラインで勝手に音混ぜたりイジったりした素材をMAに持ち込む
  4.MAで映像編集しようとしだす
  5.そもそもMAで何やるかわかってない
  6.OMFが空っぽ ←NEW!!!!



1の「持ってくるQuickTimeの映像にTC(キャラ)焼きこんでこない 」は非常に多いよくあるパターン。
TCの焼き込みのない映像は、アタマとオシリに捨てカットがあるのかないのか、あるなら何秒捨てなのかわかりません。必ずShowスタートを01:00:00:00などのキリの良い正時スタートとして焼きこんでください。まぁ・・・そもそもTC焼き込まない人って、捨てカットのことなんぞ把握すらしてないことが多いので何をか言わんや・・・。
そういうこともあって、事故やトラブル防止のためにもJOBシートをちゃんと用意してほしいです。 どこがShowスタート/エンドなのかわからないと事故になるので、アタマとオシリの捨てカットの把握と、TC焼き込みは徹底していただきたいです。


2の「持ち込む映像と音素材の内容がズレてる」も非常に多く厄介です。
何も言われずに渡された画音素材を合わせてみるとズレているのでこちらから確認すると「映像ちょっと編集したんで。ちょっと編集しただけですし大丈夫ですよねハハハとかいうが、全っ然大丈夫じゃねぇです・・・(溜息) MAミキサーの多くはその映像を当日その場で見ることが多く、どこを何秒どう編集したのか、編集点は何箇所あるのか把握しているわけもなく、どう編集されてズレてるのかをMAミキサーが神経すり減らして「探して」合わせ込むことになる。下手するとそれだけのために1時間くらいかかることもザラにある。
もっと厄介なのが「MA当日までに仕込みしておいて下さい」と言って、前もって映像と音素材を渡されたのに、当日気軽に「映像尺イジったのでwwwちょっとだけなんで大丈夫っすよねwww」というやつ。下手したら全部仕込み直しだからねそれ。仕込んである数十トラックにまたがるの音素材をズラすのは非常に確認と手間がかかるので、場合によっては全部やり直しだから。こういうのはほんとに困る。


3の「オフラインで勝手に音混ぜたりイジったりした素材をMAに持ち込む」もまた非常に厄介なパターン。
オフライン編集を責任者にプレビューしたりする際に、MacBookのしょぼいスピーカーでハッキリ聞こえないとかの理由で、勝手に同録素材をバカみたいに音量上げた結果、音割れを起こした素材をMAに持ってきたり、仮ナレが同録に混ざってるとか、同録時にはピンマイク、ガンマイク、カメラマイクなどセパレートしていた素材を勝手に混ぜて持ってきたり勝手にBGMを混ぜ込んで素材として使えない状態で持ってくるまである。
一回劣化した素材はもとに戻らないし、混ぜた素材は分離できねぇんですよ。 MAに持ってくる素材はくれぐれも勝手に加工しないでください。


4の「MAで映像編集しようとしだす」も意味がわかりません。
MAに来たんでしょ???映像編集はここじゃできませんから、映像いじるんなら編集室に戻って仕切りなおして出直して下さい。・・・・。


そして極めつけのその5!「そもそもMAで何やるかわかってない」が多すぎる。
QuickTimeの映像だけ何も言わずに渡して態度悪いADとかがこのパターン。
・・・MAに来たんですよね?

MA「音の素材も渡してもらえますか???」
AD「え?ないの?」
MA「まだもらってませんから・・・(#^ω^;)」
AD「チッ・・・で、何要るの?」
MA「MAする素材になるOMFとか音効素材とか(#^ω^;)」
AD「今から書き出すから待って」

・・・10分後

AD「こん中入ってっから」
MA「これ全ッ部音混ざった内容のwavが8本入ったOMFですけど(#^ω^;)」
AD「え?何どういうこと?何が要るの???」
MA「(#^ω^;) ピキピキ」

一から全部説明する???全部説明しないとだめ????馬鹿なの死ぬの????というパターン。逆ギレして帰っていく上に何故かクレームになる事が多いです。

【補足資料】サルでもわかるプロダクション〜ポスプロの流れ(Clickで拡大)
MADiagram.png



6の「OMFが空っぽ」というのも非常に面倒くさいです。
今どきMAでOMFを扱わないなんてありえないので、OMFを知らないとか分からないとか、OMFをまともに吐き出せないなんてディレクターがいたら、間違いなくそいつはモグリです。ろくな仕事やったことないモグリです。

OMFには2種類があって、必要な音データとシーケンス情報をまとめて1ファイル化したエンベッドOMFと、音データとシーケンスデータを別々に扱うセパレートOMFがあります。
MAに送るOMFは基本的に前者の「エンベッドOMF」です。なぜなら音データを別々に扱うセパレートOMFでは音のデータを送り忘れて「空っぽ」のOMFになる事故が多発するからです。
「音を送り忘れる?そんな馬鹿な(笑)」と思うかもしれませんが、毎日MAスタジオでMAをやっていると10日に1回はこの事故が起きてウンザリします。
OMFの送信前に必ずデータ容量を確認してください。音のデータが正しく入っていれば数百キロバイトとかは絶対ありえませんから・・・。



こういった他に、

・とんでもないフレームレートの映像ファイルを持ってくる
放送用なのに24pだったり、謎の100fps超えの映像だったり、15fpsとかいう意味不明な物持ってきたり・・・。ちゃんと納品形態のフレームレートで映像持ち込んで下さい。

・MAで使えない映像コーデックで持ち込んでくる
MAで対応可能な映像コーデックはスタジオによって若干差がありますが、MAでProtoolsを使うスタジオで安心して使えるコーデックとしてH.264がオススメです。H.264を指定しているにも関わらず無頓着にAVCHDだったりProres422などを渡されることも多く、対応外のコーデックをうっかりProtoolsに載せるとクラッシュしたりするので、きちんとコーデックについて理解してほしいと思います。

またゲームメーカーから渡されることが多いのがAdobe ShockwaveなどのFlashシーケンス。シーケンスだけ持ち込まれても困ります。ちゃんとコンポジットした映像を持ち込んでください

・音効に頼むお金がないからと言ってMAに音効させる
音効依頼できる予算確保して下さい

・DF/NDFがゴッチャになってる素材持ち込み
基礎中の基礎・・・。もはやなにもいうまい。



・・・・枚挙に暇ありませんが、MAに来るということがどういうことか、MAで何をやってるのか、MAが滞りなく終わるために何が必要なのかキチンとわかってる先輩方に教わるか、MAミキサーに直接確認するなどして、正しいMAスタジオの運用にご協力いただければ幸いです。




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